九州校友紹介 #2 心豊かに、自分らしく生きられる為のサポートを

第2回目の校友会紹介は、佐賀県在住のAPU 2018年卒業、秀島彩女さん。

在学中にフィリピンでの孤児院でボランティアスタッフとして勤務した経験から、幸せとは何か?心を豊かにするとは?を追求し、現在は地元・佐賀で、そこから発見した新しい価値観を多くの方に発信するために幅広く活動されています。

彩女さんとは、SRC(現在のBASE: 1回生1年間のAPUの交換留学準備プログラム)の先輩として出会いました。いつも笑顔で誰にでも気さくで優しくて、芯を強く持ち行動されている彩女さんに実はすごい憧れていました・・・笑。 ウェーブでウクレレを弾いていた彩女さんを見て、友達と一緒にウクレレを買って、いつかセッションしたいと思いひそかに練習していました。笑 

そんな彩女さんにAPU卒業後のお話、今の活動とAPUでの経験について、色々とお話を伺います!


――お久しぶりです!お元気ですか?Facebookなどでご活動の様子を拝見していました。

秀島:久しぶりに連絡もらえて嬉しいな!今日はありがとう。私の体験談でよければ何でもシェアします。今日はよろしくお願いします。

――今は佐賀にお住まいですよね?どんなことをされているんですか?

秀島:APU卒業後は、地元の佐賀県に戻ってきて地元のNPO法人で2年間働いていました。
スリランカやミャンマーの子どもたちのための奨学金支援事業と、子どもの居場所事業という地域の皆さんと協力して地域の子どもたちを支える活動をしていました。例えば、月に一回、地域の皆さんと食事を準備し、子どもたちと一緒に食べる”子ども食堂”を運営したり、学校に行けない、困り感を持った子どもたちに対しても、週1回子どもの居場所を運営していました。海外へのスタディツアーへの同行や、佐賀のインターナショナルゲストハウスで働かせてもらったり、本当に様々な事を経験させてもらえたし、佐賀で色々な繋がりを作ることができました。

――その2年後に退職されたのはどのような理由があったのですか?

秀島:忙しくなるにつれ、人の笑顔のために、と毎日仕事をしていたはずが自分と向き合う時間をうまく作れなくなってしまいました。まずは自分自身が幸せに心穏やかに、余裕がなければ他の誰かを幸せにはできないということに改めて気づきました。

――自分が幸せじゃないと他の誰かを幸せにできないという事にとても共感します。

秀島:退職した後は、タイと南インドに渡航しました。タイでは大学時代に瞑想・マインドフルネスの資格を取ったのですが、改めてマインドフルネスの研修に参加したり、南インドではヨガのインストラクターの資格取得の研修に参加しました。

去年3月からは、"world peace intiative"というタイに活動拠点を置くイギリス発祥のNPO法人でマインドフルネスのインストラクター兼プロジェクトマネージャーとして日本でイベントを運営したり、翻訳の仕事をしたりしています。それと並行して、佐賀にあるNPO法人"博心館"での勤務むしています。博心館では、放課後スクールでヨガや瞑想、英会話、国際協力について子どもたちに伝える機会をたくさんもらっています。博心館に入る前までは、約9ヶ月間、地域にも恩返ししたいと思い、自分が通ってた小学校の放課後児童クラブでも働いていました!

――APUを卒業後、本当に色んな事をされていたんですね!

秀島:仕事以外でも、ライフワークとして、地域のみなさんや子どもたち、地元に住む留学生など色々な人を集めてヨガや瞑想のワークショップ、英会話クラスをしたり、畑仕事、川遊び、みんなで炊き出ししてご飯作って食べたりと、色々な事を私の母とも協力して自由に楽しくやっています。ここに来た人が自分らしく、そして自然に触れ合いながら生きる力を身につけ、心豊かになってもらえたら嬉しいなあと思っています。

――すごいですね!子どもたちにとって、学校の外で先生以外の方と関ったり、学校では学べないことを学べる事はとても貴重だと思いました。何より子どもたちが羨ましいです!

秀島:みんなたくさん勉強をする時間はあるけど、生きていく上で必要なストレスマネジメントだったり、自分を大切にするとか、向き合い方について教わる機会ってあんまりないんじゃないかなと。だからこそ、ヨガや瞑想・マインドフルネス、自然体験を通して、”心の豊かさを育む”ことの大切さを、子どもたちだけじゃなくて、多くの人にもっと伝えていきたいとずっと思っています。

――今のお仕事や活動をされるきっかけは何でしたか?

秀島:大学時代に行ったフィリピンの孤児院で、ボランティアスタッフとして働いたことが、私の生き方・考え方を変えた大きなきっかけでした。現地の子どもたちや村の人々と出会ってお話をするうちに、自分の幸せの価値観が大きく変わっていきました。フィリピンで暮らしたその頃から自分の中で”心の豊かさ“というのがずっと大切なキーワードになっています。

――在学中のフィリピンでの経験が今の原点になっているのですね。その後APUではどんなことをされていたのですか?

秀島:実は帰国してから、フィリピンでの生活や人が恋しくなり、逆カルチャーショックを受けてしまって・・・笑 こんなにも人間性って違うんだなあ・・・私はあっちの方があってるなあ。帰りたい・・・と。でも自分は日本人で日本にいるし、自分が日本の人のために何ができるだろう?私が得た価値観や気づきを生かせないのかな?と考えるようになりました。留学したからこそ、日本には”人の温かさ”を感じたり”自分らしさ”を見つけることを難しく感じて悩んでいる人がすごい多くて悩んでる人が多いなと気付きました。それからは、人はどうすれば心から幸せと思うことができるようになれるのかを考えるようになり、自然と逆カルチャーショックを自分の次なる目標に変えられたって感じかな。

――逆カルチャーショックを受けると、そのまま海外に戻ってしまったり、現実逃避をしたままで逃げてしまうという方も少なくないと思うのですが、”現地で学んだ価値観を伝えて、一人でも多くの人を幸せにしたい”と、行動されていたんですね。

秀島:はい。その後半年間休学してトビタテ留学で、幸福の国と呼ばれているフィジーと、以前お世話になったフィリピンの孤児院を訪れました。もう一回自分の中で「心の豊かさとは何か?どのようにして育まれるのか?」について自分なりに答えを出すべく調査することにしました。フィジーの語学学校にフィジーの幸せについての本を書いた人がいたので話を聞いてみたり、村の人の暮らしを体験してみたり、フィリピンでは子どもたちにどんな時に幸せに感じる?ってインタビューしてみたり。インタビューの内容は全部卒論にまとめました。フィリピンの子どもたちについては写真エッセイも作成しました。

――フィジーやフィリピンでの生活の中で、現地の方の心の豊かさが垣間見れた印象に残ってるエピソードはありますか?

秀島:フィジーにはケレケレといって「共有の文化」っていうのがあります。例えると”優しいジャイアン”みたいな・・・”お前のものは俺のもの、俺のものはお前のもの”という考え方です。

――日常の生活でわかりやすい例はありますか?

秀島:例えば悪気なしに人のもの使ったり、使われても何とも思わない。とりあえず何でも持ってるものはみんなで共有しちゃう。分け合うことが当たり前なんですね。

――あやめさんが考える”心の豊かさ””心の豊かさを育てる”とはなんですか?

秀島:私が導き出した答えは、心の豊かさとは「人とのつながり」「分け合うこと」「感謝すること」「自然とともに生きること」「自分を大切にすること」だったの。その心をケアする(コントロールする)、先進国に住む私たちが心の豊かさを育むという点においては、瞑想やヨガ、マインドフルネスが一番の最適な手段なんじゃないかなと思ってます。

トビタテ留学を通して、こんな風に心の豊かさについて自分の中に落とし込めて、自分の中でずっとモヤモヤしてたことが解消できたことで、自分が得たこの価値観を日本の人に伝えていくということが自分の使命なんだなということにも気がつくことができました。忙しい日本の社会にいると、自分と向き合うこと、幸せについて考えることは忘れがち。瞑想やヨガ、マインドフルネスで心を整えたり、自分と向き合う時間をちゃんと持つことで心を豊かにすることができるし、一人一人が幸せになれる一つの手段として知ってもらいたいです。一人一人が幸せになれば世界は平和になると思っています!私が大事にしたいのは、この価値観に共感してくれる人が、その人が生きていく中で「幸せだなあ」と思える瞬間が一つでも増えたり、人生の中の選択肢を一つ増やせたり、そんなことができたらすごく嬉しいなって思います。

――今後はどのような活動をイメージされていますか?

将来的には、雇われではない形で、今取り組んでいる講座やワークショップの数を増やしてもっとたくさんの人に届けられるようになりたいです。今は「お寺ヨガ」や幼稚園で「キッズヨガ」などもやっていますが、自分の身近な地域から徐々に、活動を広めていけたらなと思っています。”リトリート”という文化が日本にはないからこそ、例えば学校で働いている先生や老人ホームで働く職員の方々に向けて、ストレスマネジメントや自然の中で自分と向き合うという機会を提供できたらいいなって思っています。具体的には人間関係や生活習慣、ストレスについてワークショップで学んだり、自然の中で心を整えるということなど。 

他には、NPOで出会った親友と一緒に事業を起こしたいね!と話していています。Instagramで”Be me project ”(自分になるプロジェクト)というアカウントを立ち上げて、授業やワークショプとかどんどん取り組んでいくべく計画を立てています。瞑想やマインドフルネス、ヨガの講座をオンラインで開催したり、日常生活の中で何を取り入れたらストレスが解消できるか、セルフケアについて知ってもらったりしていきたいです。

――盛り沢山でお話を聞いていた私もワクワクしました!そして何より、勇気をたくさんいただきました。地方かつ地元で何かアクションを起こそう!と思うと、なぜか周りの目を気にして行動を躊躇することもあって・・・。でも、卒業後もAPUでの学びや自分の信念を貫いて行動し続けているあやめさんのお話を聞いて、背筋が伸びた思いです。

秀島:もちろん葛藤もあるけど、自分が信じるもの、大切だと思うもの、誰かのためになることは発信していれば、必ず誰かが共感してくれるし、またその誰かが発信してくれる。自分がポジティブに続けていれば、”いいね”って人は集まってくるし、自分がいいと思ったことはとりあえずやってみたらいいと思います。やってみなきゃわかんないよ!とりあえずやってみようぜっていう肩の力を抜いてやってみたらいいと思います!

――今日は素敵なお話しをありがとうございました!最後に、最後まで読んでくださった方に一言どうぞ!

秀島:一緒に何かやってみたい!活動に興味がある方、瞑想、ヨガを学んでみたい方お気軽に是非連絡ください!!


【編集後記】同じ九州内、そして地元で活躍されている彩女さんの話は、地方や地元に戻り働いている方の背中をそっと押してもらえるインタビューだったのはないかと思います。私自身、同じ九州出身、地元で働く身として、とても勇気をいただきました。

”Shape Your World” APU生には合言葉のように馴染みのある言葉ですが、APUを卒業してからも実践されているのが彩女さんだと思います。無理せず、肩の力を抜いて、自分の想いを形にすることを楽しまれている彩女さん。前向きに明るく今を楽しまれている姿を見て、卒業後も地域の方をはじめとするみなさんに、勇気や元気を与え続けていらっしゃるのだと思いました。

また、このご時世で悩みを抱えている方もさらに増えていることが予想される今、日本でもマインドフルネスについてさらに見直され、生活のあらゆる場面で活用・導入されれば、多くの人にとって今を乗り越えられる一つの原動力になると思いました。

私も早速佐賀に行き、彩女さんのワークショップを体験をして、しっかり自分と向き合っていきたいと思いました!!

下記URLでは、彩女さんのブログやフィジーの幸福論について書かれた記事や作成された写真エッセイについてご紹介しています。ぜひご覧ください!!(インタビュアー: 福岡校友会 石川万祐子)

彩女さんの記事はこちら▶︎

https://beme-ayame.hateblo.jp/entry/2020/03/22/231838?fbclid=IwAR0_TEcPFxRvdMDRXiBbC0k-gpijL3p2p3F901LtxDkxfERwWxSPHz8lVSk

彩女さんのフィリピンの子どもたちの写真エッセイ「幸せの居場所」はこちら▶

https://www.photoback.jp/Stage/Photoback/PBER-5566921703070001160

南の島の脱力幸福論▶︎

https://www.lifehacker.jp/2020/06/215281the-weakness-of-the-southern-islands-vol2.html?fbclid=IwAR0FBrvbDC1QH1dQhTK3pLBgaUW3tC6qg-kKdCtKEsWPUNjjRqVZ_Sy0U2M

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